メレノート

♪Pūpū Aʻo ʻEwa[ププ・アオ・エワ]

この記事は、フラソングのハワイ語詞を自分で理解したい方向けです。解読のためのヒントが得られます。

1.ひとこと解説

♪プ〜プ〜(アオ・エワ)イ・カ・ヌア(ナ〜・カナ〜カ)♪
という歌い出しで、オアフ島エワ地区の海、山、風の情景が伝えられるメレ。

だいすけ

メレの基本情報を確認していきましょう。

2.アーティストは?

たくさんのアーティストがレコーディングしています。

Kealiʻi Reichel
ケアリイ・レイシェル

ケアリイ・レイシェルがのアルバム『Keʻalaokamaile』(2003) に収録。

その他のアーティスト

  • The Brothers Cazimero
    ブラザーズ・カジメロ
  • Makana
    マカナ

などたくさんのレコーディングがあります。

3.歌詞

Pūpū Aʻo ʻEwa
 (トラディショナル)

Pūpū aʻo ʻEwa
I ka nuʻa nā kānaka
E naue mai a e ʻike
I ka mea hou o ka ʻāina
A he ʻāina, ua kaulana
Mai nā kūpuna mai
Alahula Puʻuloa
He ala hele no Kaʻahupāhau

Nani Kaʻala hemolele i ka mālie
Kuahiwi kaulana aʻo ʻEwa
E kiʻi ana i ka makani o ka ʻāina
Hea aʻe ka Moaʻe, eia au e ke aloha

Kilakila ʻo Polea noho i ka ʻolu
Ia home hoʻohihi a ka malihini
E walea ana i ka ʻolu o ke kiawe
I ka pā kolonahe a ke Kiu

Kealiʻi Reichel のアルバム『Keʻalaokamaile』より

4.作者は?

トラディショナル

5.解読のポイントは?

解読の難易度

『パーリー・シェル』という英語バージョンが広く知られていますが、原曲のハワイ語詞とはまったく違う内容です。

オアフ島エワ地区を舞台にしていることを示す地名などのキーワードが散りばめられています。

それぞれの意味を知ること、そして時代背景(19世紀後半)を考慮することで、メレをある程度理解できるでしょう。
ただ、その本来の主旨は「えっ?そうなの?」となる新説があります。それについては音声講座で語ってます。

言葉数:ボキャブラリーは39語とやや多めなので+0.5

言葉の難しさ:ハワイ語初級者には辞書が必要な、メレ頻出度が低めの言葉が少しあるので+0.5

補足情報:歌われている地名の場所はどこか、実際の景色はどんなか、メレの舞台の地理・歴史・文化的知識を持つことで理解が深まるメレなので+1

ということで解読の難易度は3

ぜひ自分で解読に挑戦してみましょう。

このメレの歌詞をしっかり理解したいあなたは、会員限定のオンデマンド講座でまずは基本文法の知識を身につけて、さらにメレ解読講座でより深く学んでくださいね。

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6.キーワードをチェックしよう

だいすけ

ではこのメレのキーワード(特定の名前)をチェックしましょう。

地名

このメレにはオアフ島の地名が四つ出てきます。

ʻEwa
エワ

オアフ島パールハーバーの西隣の地区

Puʻuloa
プウロア

オアフ島パールハーバーの旧名

Kaʻala
カアラ

オアフ島ワイアナエ山脈の最高峰の山の名前

Polea
ポレア

かつてエワにあった漁場の地名

固有名詞・人名

このメレには固有名詞・人名が三つ出てきます。

Kaʻahupāhau
カアフパハウ

【人名】サメの女神の名前

Moaʻe
モアエ

【固有名詞】貿易風の名前

Kiu
キウ

【固有名詞】ほどよく冷たい強い北西の風の名前

動植物

このメレには植物の名前がひとつ出てきます。

kiawe
キアヴェ

【植物】マメ科の高木

だいすけ

このメレに紡がれているのは
「花の言葉」39語
「糸の言葉」15語

「花の言葉」と「糸の言葉」ってなに?
…と思った方は次の項目へ。

7.花の言葉と糸の言葉とは?

「ハワイの歌は言葉を紡いだレイ」だとハワイの人は言います。
メレの中には大きく分けて2種類の言葉があります。レイにたとえるなら、「花の言葉」と「糸の言葉」です。

「花の言葉」は、単体で意味を持って存在できる語。品詞でいうなら名詞、動詞、形容詞、副詞です。

「糸の言葉」は、歌詞を構成する文や句を作るために「花の言葉」をつなげる役割をする語です。品詞でいうなら前置詞、接続詞、冠詞などです。歌詞の構成要素としてあらゆる歌に繰り返し現れますが、その役割を知ってしまえばいちいち調べる必要はない言葉たちです。

フラソングのハワイ語は、言葉の種類を見分けることができると解読が簡単になります。
YouTubeでも語っていますので、ぜひ観てね。

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