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フラ・ナビゲーターよしみだいすけがフラダンサーに贈るメレ・ノート。ハワイ語で歌われるフラソング「メレ」の歌詞と訳詞、補足情報をまとめていきます。
今日のメレは『Poliʻahu』(ポリアフ)です。
♪ワイマカ・オ~・ポ~リ~ア~フ~・イ・カ・エハ・ア~・ケ~・アロ~ハ♪
という歌い出しで、ハワイ州最高峰のマウナケア山頂に祀られる雪の女神をたたえる。
伝説をもとに書かれたカワイカプオカラニ・ヒューエット作の名曲。テレサ・ブライトやホオケナによって歌われた。
「ここに来て、私の愛する人、帰ってきて、そして抱きしめて」と繰り返される少し悲しげなこの歌は、去っていった恋人への切なる想いが込められている。
歌詞&訳詞
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ポリアフ 涙するはポリアフ (コーラス) 冷たい霜が神聖な (コーラス) 愛の思い出が蘇る (コーラス) あなたの愛のレイが (コーラス) |
歌詞の中のキーワード
ハワイ語の歌の意味を知るために最初にチェックしたいのは、歌の中のキーワード。
地名・人名・固有名詞や植物・動物の名前を探します。
このメレには三つあります。
ポリアフ(Poliʻahu)とは?
ハワイの神話伝説に伝えられる雪の女神。
恋にやぶれた悲しみを胸にハワイ島の山頂に住み、時折冷たい雪で山を覆うということです。
彼女が愛したのはカウアイ島のプリンス。
アイヴォヒクプア(ʻAiwohikupua)とは?
女神ライエイカワイ(Lāʻieikawai)の伝説に登場するカウアイ島のプリンス。
美女ライエイカワイを我がものにしようと出た旅の途中で、ポリアフに出会い想いを寄せられます。
マウナケア(Mauna Kea)とは?
マウナケア(Mauna Kea)とは、ハワイ島にあるハワイ最高峰の山の名前。
冬には雪も積もる山頂には、雪の女神ポリアフが祀られています。
名前の由来は…
Mauna(山)+ Kea(白)=白い(雪の)山
あるいは
Mauna(山)+ Wākea(空の父神ワケア)=ワケア神の山
だといわれます。
だいすけの私的解説
冬にはハワイにも雪が降る場所があります。
それがこのメレ(歌)の舞台、ハワイ島マウナケア。このメレがハワイでリリースされたのは1990年の終わり。2020年の暮れに30周年を迎えます。
作詞作曲をしたのはクムフラ・ソングライター、カワイカプオカラニ・ヒューエット。1989年に書かれたこの曲を、従妹のシンガー、テレサ・ブライトがレコーディングしハワイで大ヒットしました。
その後、ホオケナやブラザーズ・カジメロもカバーしたハワイ音楽史に残る名曲です。
ハワイのフラダンサーにとても愛され、数多くのステージで踊られてきました。
日本のフラダンサーの多くが、この美しい歌と出会うことで、ポリアフという名の雪の女神の存在を知ることになりました。
この歌をきっかけにして、さらにハワイ神話に目を向けた勉強熱心な人は、マウナケアがハワイアンの父神、空の神Wākeaの山とされていることも知って、神聖な山マウナケアへの思いを深めたことでしょう。
「Poliʻahu」の作者であるヒューエット氏は、他にもポリアフや他の女神をたたえる美しい曲を今日までいくつも生み出しています。
神話の女神を歌い踊ることを現代のフラ・ピープルに課すことで、自然の中の神聖なるものを崇めることの大切さを現代に伝えます。
そんなヒューエット氏が書いたポリアフの歌『Poliʻahu』と『Ka ʻEha Ke Aloha』を、フラ競技会の最高峰「メリー・モナーク」のステージで踊り優勝したフラダンサーの動画はこちら。↓

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マウナケアに案内していただいたときのヒューエット氏。
背後にマウナケアの山頂が見えます。
