フラ・ナビゲーターよしみだいすけがフラダンサーに贈るメレ・ノート。ハワイ語で歌われるフラソング「メレ」の歌詞と訳詞、補足情報をまとめていきます。
今日のメレは『Tuahine』(トゥアヒネ)です。
♪オフオ~フ~・オ・ワアヒラ~・イ・カ・ノ~エ~・ラ~♪
という歌い出しで、マノアの谷の美しい雨景色が描かれる。たたえるのはトゥアヒネ、マノアに降る雨の名前の由来となった伝説に伝えられる虹のプリンセスの母親。
HAPAのバリー・フラナガンが、マノア在住時に作詞作曲し、2013年にリリースされたアルバム『Tuahine』のタイトル・トラックとして収録。
歌詞&訳詞
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トゥアヒネ 雲が飾るワアヒラは霧雨のなか 誰よりも美しい あなたこそがマノアの美女 誰よりも美しい |
歌詞の中のキーワード
ハワイ語の歌の意味を知るために最初にチェックしたいのは、歌詞の中にキーワードを見つけること。
このメレの中にはキーワードとなる固有名詞が3つある。それは、Tuahine(トゥアヒネ)、Waʻahila(ワアヒラ)、Mānoa(マノア)。
Mānoa(マノア)とは?
オアフ島ホノルルの地区、谷、川、滝の名前。「広い」という意味。通称「虹の谷」マノアに降る心地良い霧雨は「トゥアヒネ」または「カウアクアヒネ」という愛称で呼ばれる。虹になった美女カハラオプナの伝説が伝えられる土地。
Waʻahila(ワアヒラ)とは?
オアフ島ホノルル、マノアの谷を囲む一方、隣の谷パロロとの境目にある尾根の名前。作者のバリーはこの尾根の中腹に住んでいた。
Tuahine(トゥアヒネ)とは?
Kuahine(クアヒネ)ともいう。マノア谷の霧雨の名前。マノアの虹になった美女カハラオプナの伝説に伝えられる母親の名前。
カハラオプナの伝説についてはこちら(動画リンク、後日)
だいすけの私的解説
歌の舞台はマノア。ワイキキの山の手にある谷です。じつはぼくが住む土地でもあります。そして、このメレを書いたHAPAのバリーはご近所さんでした。マノアを心から愛するアーティストのバリーは、過去にマノアに捧げる名曲を2曲レコーディングしています。ある日彼と一緒に食事をしたとき、愛するマノア談義に花を咲かせたついでに「新しいマノア・ソングを作って!」とリクエストしました。しばらくしてバリーから連絡がありました。「新しいマノア・ソングができたよ」というメールに添付されていたのは、完成前の『Tuahine』の音源でした。それを聴いて鳥肌がたつくらい感動したのをはっきり覚えています。
『Tuahine』がリリースされた後、雑誌フラレアの記事のためにこのメレについて取材しました。インタビューでバリーはこう語っていました。
「虹の女神カハラオプナと比べてあまり語られることがないようだけど、ぼくはカハラオプナを生んだ母親トゥアヒネに思いを馳せてしまうんだ。マノアの優しい霧雨に包まれるとき、そして家路に向かってマノアの谷に入ってくるとき、いつも特別な感覚に包まれるのだけど、トゥアヒネの物語を知って納得したんだ。マノアに溢れる女性的で優しいエネルギーは、彼女の母性愛そのものなんだってね。」
じつは『Tuahine』にはもう一つ、記事には書かなかった隠された想いが込められています。それはバリーがこの曲を生み出す前に亡くした彼自身の母親への想いです。
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