メレノート

♪For the Lāhui│言葉にマナを乗せて踊るためのフラソング歌詞・解説[フォー・ザ・ラフイ]

For the Lāhui
(作詞:Hinaleimoana Wong)

E welo mau loa kuʻu hae aloha
I ka nuʻu o ka lewa lani lā
A e maluhia no nā kau ā kau
Eō Hawaiʻi Kuʻu ʻāina aloha

E kuʻu lāhui e, wiwoʻole e
Kū kānaka e, ʻonipaʻa mau
Ua mau ke ea o ka ʻāina i ka pono
Ua mau ke ea o ka ʻāina i ka pono

1.曲名│For the Lāhui(フォー・ザ・ラフイ)

だいすけ

メレの基本情報を確認していきましょう。

曲名は『For the Lāhui』
英語にハワイ語のワードを入れたタイトル。
あえて日本語に訳すなら「祖国のために」かな。

2.アーティスト

レコーディングしたのは、今をときめくハワイアン・アーティスト、ジョシュ・タトフィ。

3.作者

Josh Tatofi & Hinaleimoana Wong

作曲はジョシュ・タトフィ、作詞はヒナレイモアナ・ウォン。

だいすけ

ではこのメレのキーワード(特定の名前)をチェックしましょう。

4.地名

このメレには地名が1つ登場します。

Hawaiʻi ハワイ

5.固有名詞・人名

このメレに固有名詞・人名は登場しません。

6.動植物

このメレに動植物の名前は登場しません。

7.その他のキーワード

最初にチェックしたい地名・人名・固有名詞や植物・動物の名前のキーワードのうち、このメレにはひとつだけ、地名「Hawaiʻi」が出てきます。
これだけではあまりメレ解読の助けにはなりませんね。

じつは他にもあります。

ハワイの歴史やハワイ王国について勉強しているフラダンサーなら、歌詞の中にとても重要な一文があることに気がつくはず。

それがこちら。

Ua mau ke ea o ka ʻāina i ka pono
ウア・マウ・ケ・エア・オ・カ・アイナ・イ・カ・ポノ

歌詞の最後に繰り返されるこの一文
どう特別でどういう意味なのでしょう?
以下、2冊の本からの引用が参考になります。

「ハワイイ紀行」
(著者:池澤夏樹)

一般には「土地の生命は正義の中に保存される」(The life of the land is perpetuated in righteousness.)と英訳される。
この訳は非常に政治的な歪曲だとハワイイ人は言う。これではまるでカメハメハ三世がハオレによる土地所有の正当性を認めたようなものだ。

「ハワイ・さまよえる楽園 民族と国家の衝突」
(著者:中嶋弓子)

これにより、イギリス人によるハワイ乗っ取りは未遂に終わり、七月三十一日、ハワイは再び独立国として、ハワイの旗が掲げられるようになった。
カメハメハ三世はこの日、カワイアハオ教会に赴き、「土地の命は正義とともに永遠に生きつづける」という言葉を演説の中で残した。

8.一言解説

♪エ・ヴェロ・マウ・ロア・クウ・ハエ・アロ〜ハ~♪
という歌い出しで、空高くはためく旗に自由と平和を願う、プロテクト・マウナケア運動から生まれた曲。シンガーのジョシュ・タトフィが実際に運動に参加してマウナケアを訪れた際に作った。
作曲とレコーディングはジョシュ・タトフィ、作詞はヒナレイモアナ・ウォン。

だいすけの私的解説

今人気若手ハワイアン・シンガー、ジョシュ・タトフィがこのメレを書いたのが2019年7月、巨大天体望遠鏡TMT建設から聖なる山頂を護るプロテクト・マウナケア運動が再燃した直後のこと。
(そのことについてはこちらの記事を参照)

彼が当時アップしたインスタグラムの投稿に、レコーディング前のデモバージョン映像があります( Josh Tatofi のインスタグラム投稿はこちらをクリック )。

この投稿の文面によれば、
マウナケアで過ごした時間は彼にとってとても大きな出来事だったようです。

その体験を経て、彼の中に歌が降りてきました。
彼の思いをハワイ語の歌詞にしてくれたのは、ハワイアン活動家クム・ヒナ。
前回紹介した『Kū Haʻaheo E Kuʻu Hawaiʻi』の作者です。

運動に参加するためにマウナケアへ行くことを、ジョシュも最初は躊躇していたようです。
背中を押してくれたクムフラ&シンガー、ナプア・グレイグへの感謝の気持ちも伝えています。

美しいメロディーを持つこの素敵なメレには、深い思いが込められています。
先住ハワイアンが抱える嘆きの歴史、それを理解・共感しないでは踊ることができない1曲です。

繰り返される言葉
「ウア・マウ・ケ・エア・オ・カ・アイナ・イ・カ・ポノ」
は、カメハメハ三世が残した言葉でハワイのモットーです。

イオラニ宮殿やハワイ王族霊廟のゲートには、この一文が彫り込まれた紋章が飾られています。

現代のハワイアンがこの言葉を繰り返し歌うとき、そこにはこんな意味が込められています。

この地の真の主権を取り戻す
この地の真の自由を勝ち取るために・・・

9.YouTube動画「5分で分かるフラソングのツボ」