この記事は、フラソングのハワイ語詞を自分で理解したい方向けです。解読のためのヒントが得られます。
1.ひとこと解説
♪アウヘ〜ア〜・ワレ・アナ・オ〜エ〜♪
という歌い出しで、想いを寄せる人を「リリレフアの花」と呼びかけ、愛の強さを伝えるメレ。
メレの基本情報を確認していきましょう。
2.アーティストは?
オリジナルは、カハウアヌ・レイク・トリオ。
近年では、ナ・パラパライがレコーディングしています。
その他にもたくさんのアーティストがレコーディングしています。
Nā Palapalai
ナ・パラパライ
ナ・パラパライのアルバム『Ka Nani, Vol.1』(2020) に収録。
ゲストボーカルにロバート・カジメロが参加しているレコーディングです。
Kahauanu Lake Trio
カハウアヌ・レイク・トリオ
カハウアヌ・レイク・トリオのアルバム『Best Of Kahauanu Lake Trio Vol 1』(1992) に収録。
3.歌詞
Pua Līlīlehua
(作者:Mary Kawena Pukui & Kahauanu Lake)ʻAuhea wale ana ʻoe
E ka pua līlīlehua
A he ipo hoʻohenoheno
E hoʻohihi ai nō ka manaʻoIā ʻoe e ʻimi ana
I nā nani o ka ʻāina
Eia nō lā au ma ʻaneʻi
E kali ana i kou hoʻi maiE ʻalawa mai hoʻi ʻoe
I nei mau maka onaona
He mau maka poina ʻole
E kapalili ai ko puʻuwaiHilo paʻa ʻia ke aloha
I ka lino hilo pāwalu
ʻAʻohe mea e hemo ai
Me aʻu ʻoe a mau loaHaʻina mai ka puana
He Mele Aloha: A Hawaiian Songbook / by Carol Wilcox, Kimo Hussey, Vicky Hollinger, Puakea Nogelmeier より
No ka pua līlīlehua
A he ipo hoʻohenoheno
E hoʻohihi ai nō ka manaʻo
4.作者は?
Mary Kawena Pukui & Kahauanu Lake
5.解読のポイントは?
解読の難易度
1960年代からフラダンサーに愛され続けるフラ・クラシック。
ハワイのフラ・コミュニティーにとって伝説的な二人にまつわるメレだけに、言葉のひとつひとつに心を込められるようしっかり理解したいですね。
作者のカハウアヌ・レイク氏(2011年没)へのインタビューで直接うかがったエピソードが今も胸を締めつめます(オンデマンド講座で語りました)。
言葉数:ボキャブラリーは38語とやや多めなので+0.5
言葉の難しさ:ハワイ語初級者には辞書が必要な、メレ頻出度が低めの言葉が少しあるので+0.5
補足情報:メレが生まれた背景、だれに捧げられたのかを知ることで理解が深まるので+1
ということで解読の難易度は3
さっそく解読に挑戦してみましょう。
まずはキーワードをチェック!
6.キーワードをチェックしよう
ではこのメレのキーワード(特定の名前)をチェックしましょう。
地名
このメレに地名は登場しません。
固有名詞・人名
※次の「動植物」の項を参照
動植物
このメレには植物の名前がひとつ出てきます。
līlīlehua
リリレフア
【植物】サルビア・コッキネア(ベニバナサルビア)
【固有名詞】オアフ島ホノルル、パロロ谷の風と雨の名前。民話に伝えられるパロロに住む雨の女神の名前でもある。
このメレに紡がれているのは
「花の言葉」38語
「糸の言葉」20語
「花の言葉」と「糸の言葉」ってなに?
…と思った方は次の項目へ。
7.花の言葉と糸の言葉とは?
「ハワイの歌は言葉を紡いだレイ」だとハワイの人は言います。
メレの中には大きく分けて2種類の言葉があります。レイにたとえるなら、「花の言葉」と「糸の言葉」です。
「花の言葉」は、単体で意味を持って存在できる語。品詞でいうなら名詞、動詞、形容詞、副詞です。
「糸の言葉」は、歌詞を構成する文や句を作るために「花の言葉」をつなげる役割をする語です。品詞でいうなら前置詞、接続詞、冠詞などです。歌詞の構成要素としてあらゆる歌に繰り返し現れますが、その役割を知ってしまえばいちいち調べる必要はない言葉たちです。
フラソングのハワイ語は、言葉の種類を見分けることができると解読が簡単になります。
YouTubeでも語っていますので、ぜひ観てね。
「独学ではむずかしい!」という方は、まずはオンライン講座で基本をざっくり学んでしまうのがオススメです。
なかなか日程が合わない方はオンデマンド講座でも学べます。