この記事は、フラソングのハワイ語詞を自分で理解したい方向けです。解読のためのヒントが得られます。
1.ひとこと解説
♪カ・マクア・マナ・ロア、マリウ・マイ・イア・マーコウ♪
という歌い出しでハワイ国王をたたえるメレ。
後に自身が国王になる運命の、若き女性音楽家が書いた。
メレの基本情報を確認していきましょう。
2.アーティストは?
現代ではライアテア・ヘルム、リト・アークエンジェルなどがレコーディングしています。
Raiatea Helm
ライアテア・ヘルム
2024年のNā Hōkū Hanohano で多くの賞を受賞したアルバム『A Legacy of Hawaiian Song & String, Volume 1』(2023) に収録されています。
Lito Arkangel
リト・アークエンジェル
アルバム『Kuʻupau』(2017) に収録されています。
3.歌詞
He Mele Lāhui Hawaiʻi
(作者:Liliʻuokalani)Ka makua mana loa
Maliu mai iā mākou
E hāliu aku nei
Me ka naʻau haʻahaʻa
E mau ka maluhia
O nei pae ʻāina
Mai Hawaiʻi a Niʻihau
Ma lalo o kou maluHui:
E mau ke ea o ka ʻāina
Ma kou pono mau
A ma kou mana nui
E ola, e ola ka mōʻīE ka haku mālama mai
I ko mākou nei mōʻī
E mau kona noho ʻana
Ma luna o ka noho aliʻi
Hāʻawi mai i ke aloha
Ma loko o kona naʻau
A ma kou ahonui
E ola, e ola ka mōʻīMa lalo o kou aloha nui
The Queenʻs Songbook より
Nā aliʻi o ke aupuni
Me nā makaʻāinana
Ka lehulehu nō a pau
Kiaʻi mai iā lākou
Me ke aloha ahonui
E ola nō mākou
I kou mana mau
4.作者は?
Liliʻuokalani
リリウオカラニ
5.解読のポイントは?
解読の難易度
リリウオカラニが1866年、国王になる25年前に書いた名曲です。音楽家としてのデビュー曲となったこのメレは、「ハワイ国民の歌」という意味のタイトル。彼女がどんな経緯でこの歌を書いたのか、誰に対するどんな思いを込めたのか、その後どうなったのか、歴史的背景を知るとなんとも味わい深いメレ。
言葉数:ボキャブラリー数は41語とやや多めなので+0.5
言葉の難しさ:ハワイ語初級者には辞書が必要な、メレ頻出度が低めの言葉が少し(1割〜3割)あるので+0.5
補足情報:メレが生まれた背景、だれに捧げられたのかを知ることで理解が深まるので+1
ということで解読の難易度は3
さっそく解読に挑戦してみましょう。
まずはキーワードをチェック!
6.キーワードをチェックしよう
ではこのメレのキーワード(特定の名前)をチェックしましょう。
地名
このメレには地名が2つ出てきます。
Hawaiʻi
ハワイ
ハワイ島
Niʻihau
ニイハウ
ニイハウ島
固有名詞・人名
このメレに固有名詞・人名は登場しません。
動植物
このメレに動植物は登場しません。
このメレに紡がれているのは
「花の言葉」41語
「糸の言葉」17語
「花の言葉」と「糸の言葉」ってなに?
…と思った方は次の項目へ。
7.花の言葉と糸の言葉とは?
「ハワイの歌は言葉を紡いだレイ」だとハワイの人は言います。
メレの中には大きく分けて2種類の言葉があります。レイにたとえるなら、「花の言葉」と「糸の言葉」です。
「花の言葉」は、単体で意味を持って存在できる語。品詞でいうなら名詞、動詞、形容詞、副詞です。
「糸の言葉」は、歌詞を構成する文や句を作るために「花の言葉」をつなげる役割をする語です。品詞でいうなら前置詞、接続詞、冠詞などです。歌詞の構成要素としてあらゆる歌に繰り返し現れますが、その役割を知ってしまえばいちいち調べる必要はない言葉たちです。
フラソングのハワイ語は、言葉の種類を見分けることができると解読が簡単になります。
「花の言葉」と「糸の言葉」のしくみを学ぼう!