この記事は、フラソングのハワイ語詞を自分で理解したい方向けです。解読のためのヒントが得られます。
1.ひとこと解説
♪エ〜・プア・アナ・カ・マカニ・ラ・エア〜♪
という歌い出しで、カウアイ島のハラ林を吹き抜ける風とともにカアフマヌをたたえるメレ。
メレの基本情報を確認していきましょう。
2.アーティストは?
マカハ・サンズ・オブ・ニイハウなどのレコーディングがあります。
The Mākaha Sons of Niʻihau
マカハ・サンズ・オブ・ニイハウ
マカハ・サンズ・オブ・ニイハウのアルバム『Unforgettable』(2008) にKumulipoとのメドレーで収録。
3.歌詞
E Pua Ana Ka Makani
(トラディショナル)E pua ana ka makani, lā ʻeā
E nā hala o MalelewaʻaKui ʻia e lūpua, lā ʻeā
Hālua ʻala i ka poliMaikaʻi ka pua hīnano, lā ʻeā
Nā pua i WaialohaʻUpu aʻe ana ka manaʻo, lā ʻeā
E ʻike iā HalāliʻiHe aliʻi naʻu ke aloha, lā ʻeā
A he lei no kuʻu laniHaʻina mai ka puana, lā ʻeā
The Mākaha Sons of Niʻihau のアルバム『Unforgettable』より
No Kaʻahumanu he inoa
4.作者は?
トラディショナル
5.解読のポイントは?
解読の難易度
原曲はカウアイ島の人々に歌われた古いチャントで、そこにたたえられているのはカアフマヌです。
それが何を意味しているのか理解するには歴史の知識も必要です。
言葉数:ボキャブラリーは26語と普通なので+0
言葉の難しさ:ハワイ語初級者には辞書が必要な、メレ頻出度が低めの言葉が少しあるので+0.5
補足情報:歌われている地名の場所はどこか、実際の景色はどんなかを知ることで理解が深まるので+1
なのにそれらの地名が現代の地図にはないのでさらに+1
その他:だれに捧げられたのか、メレが生まれた背景、歴史を知ることで理解が深まるので+1
ということで解読の難易度は4.5
さっそく解読に挑戦してみましょう。
まずはキーワードをチェック!
6.キーワードをチェックしよう
ではこのメレのキーワード(特定の名前)をチェックしましょう。
地名
このメレには地名が三つ出てきます。
Malelewaʻa
マレレワア
カウアイ島にかつてあったとされる地名
Waialoha
ワイアロハ
カウアイ島北岸ハエナにある泉
Halāliʻi
ハラリイ
【地名】ニイハウ島南部にある地区・湖の名前
【人名】ニイハウ島の古代首長の名前
固有名詞・人名
このメレには固有名詞・人名が二つ出てきます。
Lūpua
ルプア
【固有名詞】カウアイ島ワイニハに吹く風
Halāliʻi
ハラリイ
【人名】ニイハウ島の古代首長の名前
【地名】ニイハウ島南部にある地区・湖の名前
Kaʻahumanu
カアフマヌ
【人名】カメハメハ大王の妻のひとり
動植物
このメレには植物の名前が二つ出てきます。
hala
ハラ
【植物】パンダナス、タコノキ
hīnano
ヒナノ
【植物】パンダナス(ハラ)の木に咲く花
このメレに紡がれているのは
「花の言葉」26語
「糸の言葉」16語
「花の言葉」と「糸の言葉」ってなに?
…と思った方は次の項目へ。
7.花の言葉と糸の言葉とは?
「ハワイの歌は言葉を紡いだレイ」だとハワイの人は言います。
メレの中には大きく分けて2種類の言葉があります。レイにたとえるなら、「花の言葉」と「糸の言葉」です。
「花の言葉」は、単体で意味を持って存在できる語。品詞でいうなら名詞、動詞、形容詞、副詞です。
「糸の言葉」は、歌詞を構成する文や句を作るために「花の言葉」をつなげる役割をする語です。品詞でいうなら前置詞、接続詞、冠詞などです。歌詞の構成要素としてあらゆる歌に繰り返し現れますが、その役割を知ってしまえばいちいち調べる必要はない言葉たちです。
フラソングのハワイ語は、言葉の種類を見分けることができると解読が簡単になります。
YouTubeでも語っていますので、ぜひ観てね。
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