この記事は、フラソングのハワイ語詞を自分で理解したい方向けです。解読のためのヒントが得られます。
1.ひとこと解説
♪カウ・カ・ペア・ホロ・カ・ワア♪
という歌い出しで、海洋民族ハワイアンの勇気を奮い立たせるメッセージ・ソング。帆を上げて海を行くカヌーの航海をモチーフにして、ハワイを導いた偉大な先人をたたえている。
メレの基本情報を確認していきましょう。
2.アーティストは?
レコーディングしたのは、カラニ・ペア。
Kalani Peʻa
カラニ・ペア
アルバム『Kau Ka Peʻa』(2021) に収録。
3.歌詞
Kau Ka Peʻa
(歌詞:Kalani Peʻa & Larry Kauanoe Kimura)Kau ka peʻa, holo ka waʻa
ʻO ka waʻa kaulua kahi e holo mau
ʻIke aku ia he Kapena nui
Iaukea ke kāne e hoʻokeleʻEʻe mai me Ka Hiku O Nā Lani
I ka ʻimi pono kuʻikahi pū
Me nā aliʻi nui o ka honua
No ka malu mau o Hawaiʻi neiʻO ka lani nui Ka Naʻi Aupuni
E wiwoʻole i nā ʻaleʻale kai
E pūpūkahi (e) ka pae mokupuni
A e inu i ka wai, ka wai ʻawaʻawaKe aloha nui i ke kūpuna
– Kau Ka Peʻa / Kalani Peʻa
Nā moho ʻimi pono o ka ʻāina
ʻO nei hoʻoheno a e lohe ʻia
Kau ka peʻa e nā aliʻi Hawaiʻi
(Kau ka peʻa, holo ka waʻa kaulua)
4.作者は?
作詞
Kalani Peʻa & Larry Kauanoe Kimura
作曲
Kalani Peʻa & Wailau Ryder
5.解読のポイントは?
解読の難易度
カヌーの航海をモチーフにしたこのメレがどうしてハワイアンにとってパワフルなメッセージソングになりうるのか。歌われているのは誰のことなのか。単語の意味を調べるだけではわからない、ハワイの歴史を知ってこそ真に読み取れるタイプのメレですね。
言葉数:ボキャブラリー42語とやや多めなので+0.5
言葉の難しさ:頻出度低い辞書引き要な言葉が3割以上、特定の人や出来事を暗に示唆するフレーズがあるので+1
補足情報:深い解釈には歴史知識が必要なので+1
ということで解読の難易度は3.5
さっそく解読に挑戦してみましょう。
まずはキーワードをチェック!
6.キーワードをチェックしよう
ではこのメレのキーワード(特定の名前)をチェックしましょう。
地名
このメレには地名がひとつ出てきます。
Hawaiʻi
ハワイ
固有名詞・人名
このメレには人名がひとつ出てきます。
Iaukea
イアウケア
【人名】メレの作者カラニ・ペアの高祖父の名前
動植物
このメレに動植物の名前は登場しません。
このメレに紡がれているのは
「花の言葉」42語
「糸の言葉」14語
「花の言葉」と「糸の言葉」ってなに?
…と思った方は次の項目へ。
7.花の言葉と糸の言葉とは?
「ハワイの歌は言葉を紡いだレイ」だとハワイの人は言います。
メレの中には大きく分けて2種類の言葉があります。レイにたとえるなら、「花の言葉」と「糸の言葉」です。
「花の言葉」は、単体で意味を持って存在できる語。品詞でいうなら名詞、動詞、形容詞、副詞です。
「糸の言葉」は、歌詞を構成する文や句を作るために「花の言葉」をつなげる役割をする語です。品詞でいうなら前置詞、接続詞、冠詞などです。歌詞の構成要素としてあらゆる歌に繰り返し現れますが、その役割を知ってしまえばいちいち調べる必要はない言葉たちです。
フラソングのハワイ語は、言葉の種類を見分けることができると解読が簡単になります。
YouTubeでも語っていますので、ぜひ観てね。
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