この記事は、フラソングのハワイ語詞を自分で理解したい方向けです。解読のためのヒントが得られます。
1.ひとこと解説
♪ウ〜ラ〜・ノ〜・ヴェオ・ラ〜♪
という歌い出しのチャントを元歌にアウアナとしてもレコーディングされているメレ。カウアイ島の地名と景観を伝えつつ、カモハイの名をたたえる。
メレの基本情報を確認していきましょう。
2.アーティストは?
もともと古いチャントのメレ。
アウアナとしてコディ・プエオ・パタのレコーディングがある。
Cody Pueo Pata
コディ・プエオ・パタ
アルバム『E Hoʻi Nā Wai』(2001) に収録。
その他のアーティスト
Kawika Alfiche
カヴィカ・アルフィチェ
3.歌詞
ʻUla Nōweo
(トラディショナル)ʻUla nōweo lā
Lā e ka lā e lā (i) ka pua ʻilima lā ēA ka lae aʻo Nohili lā
Ka hūwai* lana lā (o) ka ʻawapuhi lā ē
(*Ka ʻauwai, Kahawai とも)Ua ʻike wale ʻoe lā
I ka ua loku lā aʻo Hanalei lā ēUa lipolipo wale lā
Aʻo ka nahele lā aʻo Hoʻohie lā ēHaʻina mai ka puana lā
Lā he inoa lā no Kamohaʻi lā ēHe inoa no Kamohaʻi
※歌詞は種々あります。
4.作者は?
トラディショナル
5.解読のポイントは?
解読の難易度
カウアイ島の情景を描くシンプルな歌詞だけど、2番の歌詞が人によって違ったり、たたえられている「カモハイ」が誰なのか複数の説があったり、まったく違う歌詞の元歌がある説など、謎めいたメレです。
ハワイの人にとって大事なのは、何が正解なのかでなく、誰にどう教わったか。
あなたはハワイの誰がどう伝えたものを教わりましたか?
言葉数:ボキャブラリーは23語と少なめなので+0
言葉の難しさ:古いチャントにありがちな、歌詞の言葉が歌う人によって違う部分ありなので+0.5
補足情報:歌われている地名の場所はどこか、実際の景色はどんなか、メレの舞台の地理・歴史・文化的知識を持つことで理解が深まるメレなので+1
ということで解読の難易度は2.5
さっそく解読に挑戦してみましょう。
まずはキーワードをチェック!
6.キーワードをチェックしよう
ではこのメレのキーワード(特定の名前)をチェックしましょう。
地名
このメレには地名が三つ出てきます。
Nohili
ノヒリ
カウアイ島西部バーキング・サンズ・ビーチにある場所の名前
Hanalei
ハナレイ
カウアイ島北部の谷、湾の名前
Hoʻohie
ホオヒエ
カウアイ島の地名。現在の地図にない地名。
固有名詞・人名
このメレには固有名詞・人名がひとつ出てきます。
Kamohaʻi
カモハイ
【人名】カウアイ島の首長の名という説と、カピオラニ王妃あるいはエマ王妃の別名だという説がある。
動植物
このメレには植物の名前が二つ出てきます。
ʻilima
イリマ
【植物】キンゴジカ属アオイ科の植物
ʻawapuhi
アワプヒ
【植物】ジンジャー
このメレに紡がれているのは
「花の言葉」23語
「糸の言葉」12語
「花の言葉」と「糸の言葉」ってなに?
…と思った方は次の項目へ。
7.花の言葉と糸の言葉とは?
「ハワイの歌は言葉を紡いだレイ」だとハワイの人は言います。
メレの中には大きく分けて2種類の言葉があります。レイにたとえるなら、「花の言葉」と「糸の言葉」です。
「花の言葉」は、単体で意味を持って存在できる語。品詞でいうなら名詞、動詞、形容詞、副詞です。
「糸の言葉」は、歌詞を構成する文や句を作るために「花の言葉」をつなげる役割をする語です。品詞でいうなら前置詞、接続詞、冠詞などです。歌詞の構成要素としてあらゆる歌に繰り返し現れますが、その役割を知ってしまえばいちいち調べる必要はない言葉たちです。
フラソングのハワイ語は、言葉の種類を見分けることができると解読が簡単になります。
YouTubeでも語っていますので、ぜひ観てね。
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