この記事は、フラソングのハワイ語詞を自分で理解したい方向けです。解読のためのヒントが得られます。
1.ひとこと解説
♪レイ~・カアフマヌ~・イ・ケ・アロ~ハ~、レイ~・ハアヘ~オ・イ・カ・ラナキラ~♪
という歌い出しで、カアフマヌ王妃の名をたたえるメレ。ヘレン・デシャ・ビーマー作(1916年)。彼女自身が所属していた「アハフイ・カアフマヌ」という、経済的に恵まれないハワイ人のお年寄りを援助する団体に贈った。
メレの基本情報を確認していきましょう。
2.アーティストは?
多くのアーティストがレコーディングしています。
Mahi Beamer
マヒ・ビーマー
マヒ・ビーマー(作者の孫)のアルバム『More Authentic Island Songs By Mahi』(1962) に収録。
その他のアーティスト
- Gabby Pahinui
ギャビー・パヒヌイ - Dennis Pavao
デニス・パヴァオ
など
3.歌詞
Kaʻahumanu
(作者:Helen Desha Beamer)Lei Kaʻahumanu i ke aloha
Lei haʻaheo i ka lanakila
Lei i ka mamo hulu melemele
Lei Hawaiʻi i kou inoaHui:
E ola e ka ʻĪ ame ka Mahi
E ala nā kini o ka ʻāina
Hoʻokahi puʻuwai me ka lōkahi
I ola ka inoa ʻo KaʻahumanuEia kō lei a e lei ai
Mahi Beamer のアルバム『More Authentic Island Songs By Mahi』から聴き取り
Na ke aloha i lawe mai nei
I lei hoʻoheno mau ia nou
I ola ka inoa ʻo Kaʻahumanu
タイトル表記について
『Ka Lei O Kaʻahumanu』
『Lei Kaʻahumanu』
のタイトルとしても知られています。
4.作者は?
Helen Desha Beamer(1882-1952)
ヘレン・デシャ・ビーマー
5.解読のポイントは?
解読の難易度
曲名にある「カアフマヌ」とは誰なのか、カアフマヌの名をたたえるこの歌は、誰によってどんな目的で書かれたのか。ハワイ王国の歴史のこと、歌が書かれた背景のこと、リサーチして見つけた新しい発見と合わせて、講座で詳しく語りました。
言葉数:ボキャブラリーは27語と普通なので+0
言葉の難しさ:ハワイ語初級者には辞書が必要な、メレ頻出度が低めの言葉が少しあるので+0.5
補足情報:メレが生まれた背景、だれに捧げられたのかを知ることで理解が深まるので+1
ということで解読の難易度は2.5
さっそく解読に挑戦してみましょう。
まずはキーワードをチェック!
6.キーワードをチェックしよう
ではこのメレのキーワード(特定の名前)をチェックしましょう。
地名
このメレには地名がひとつ出てきます。
Hawaiʻi
ハワイ
固有名詞・人名
このメレには固有名詞・人名が三つ出てきます。
Kaʻahumanu
カアフマヌ
【人名】カメハメハ大王の妻のひとり。
大王亡き後クヒナ・ヌイ(摂政)として力を持った。
ʻĪ
イー
【固有名詞】人名と思われる名前
Mahi
マヒ
【固有名詞】人名と思われる名前
動植物
このメレには動物の名前がひとつ出てきます。
mamo
マモ
【動物】アトリ科のハワイ固有種クロハワイミツスイ(鳥)
このメレに紡がれているのは
「花の言葉」27語
「糸の言葉」14語
「花の言葉」と「糸の言葉」ってなに?
…と思った方は次の項目へ。
7.花の言葉と糸の言葉とは?
「ハワイの歌は言葉を紡いだレイ」だとハワイの人は言います。
メレの中には大きく分けて2種類の言葉があります。レイにたとえるなら、「花の言葉」と「糸の言葉」です。
「花の言葉」は、単体で意味を持って存在できる語。品詞でいうなら名詞、動詞、形容詞、副詞です。
「糸の言葉」は、歌詞を構成する文や句を作るために「花の言葉」をつなげる役割をする語です。品詞でいうなら前置詞、接続詞、冠詞などです。歌詞の構成要素としてあらゆる歌に繰り返し現れますが、その役割を知ってしまえばいちいち調べる必要はない言葉たちです。
フラソングのハワイ語は、言葉の種類を見分けることができると解読が簡単になります。
YouTubeでも語っていますので、ぜひ観てね。
「独学ではむずかしい!」という方は、まずはオンライン講座で基本をざっくり学んでしまうのがオススメです。
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