この記事は、フラソングのハワイ語詞を自分で理解したい方向けです。解読のためのヒントが得られます。
1.ひとこと解説
♪アイア・イ・カ・ヌパ・オ〜・ワイピオ♪
という歌い出しで、渓谷に流れる数々の水流の名前を紡ぎながら、ワイピオへの愛を伝えるメレ。
メレの基本情報を確認していきましょう。
2.アーティストは?
クアナ・トレス・カヘレがレコーディングしています。
Kuana Torres Kahele
クアナ・トレス・カヘレ
アルバム『Kāhele』(2013) に収録。
『Kahiwa』(2021)にも収録されています。
3.歌詞
Waipiʻo Pāeaea
作者:Kuana Torres KaheleAia i ka nupa o Waipiʻo
Puaʻi nā wai
E hānai mai i ka honuaI laila hoʻi au e ʻike ai
I nā wai māhana
ʻO Hakalaoa me HiʻilaweHui:
He aloha, he aloha
Ka ʻāina o ʻUmialīloa
He aloha Waipiʻo pāeaeaE kahe ana, kāhele ana
Nā wai i Wailoa
ʻO Waimā, Kawainui, Koʻiawe me AlakahiE ʻau mai ana i Lālākea
– Kāhele / Kuana Torres Kahele
Māʻeʻele kuʻu kino
I ka wai ʻoluʻolu
4.作者は?
Kuana Torres Kahele
クアナ・トレス・カヘレ
5.解読のポイントは?
解読の難易度
地名がたくさん紡がれているメレというのは、その場所に不慣れな人にとって難しく感じられがち。ましてやそれがすごくローカルな地の、有名ではない地名の場合はとくに。景色をイメージしづらいですもんね。
これはそういうタイプのメレのひとつ。
言葉数:ボキャブラリーは30語と普通なので+0
言葉の難しさ:ボキャブラリーの3割以上が、頻出度低い、辞書が必要な言葉なので+1
補足情報:渓谷の地形、川の流れの位置、ワイピオの景色と歴史を知ることで理解が深まるので+1
ということで解読の難易度は3
ぜひ自分で解読に挑戦してみましょう。
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6.キーワードをチェックしよう
ではこのメレのキーワード(特定の名前)をチェックしましょう。
地名
このメレにはハワイ島の地名が九つ出てきます。
Waipiʻo
ワイピオ
ハワイ島北海岸にある渓谷、谷、湾の名前
Hakalaoa
ハカラオア
ハワイ島ワイピオ渓谷の滝の名前
Hiʻilawe
ヒイラヴェ
ハワイ島ワイピオ渓谷の滝の名前。滝の高さはハワイ一。
Wailoa
ワイロア
ハワイ島ワイピオ渓谷の川
Waimā
ワイマ
ハワイ島ワイピオ渓谷の川
Kawainui
カワイヌイ
ハワイ島ワイピオ渓谷の川
Koʻiawe
コイアヴェ
ハワイ島ワイピオ渓谷の川
Alakahi
アラカヒ
ハワイ島ワイピオの川と滝の名前
Lālākea
ララケア
ハワイ島ワイピオ渓谷の川、フィッシュポンド
固有名詞・人名
このメレには固有名詞・人名がひとつ出てきます。
ʻUmialīloa
ウミアリロア
【人名】15世紀にハワイ島を統治していた首長の名前
動植物
このメレに動植物の名前は登場しません。
このメレに紡がれているのは
「花の言葉」30語
「糸の言葉」12語
「花の言葉」と「糸の言葉」ってなに?
…と思った方は次の項目へ。
7.花の言葉と糸の言葉とは?
「ハワイの歌は言葉を紡いだレイ」だとハワイの人は言います。
メレの中には大きく分けて2種類の言葉があります。レイにたとえるなら、「花の言葉」と「糸の言葉」です。
「花の言葉」は、単体で意味を持って存在できる語。品詞でいうなら名詞、動詞、形容詞、副詞です。
「糸の言葉」は、歌詞を構成する文や句を作るために「花の言葉」をつなげる役割をする語です。品詞でいうなら前置詞、接続詞、冠詞などです。歌詞の構成要素としてあらゆる歌に繰り返し現れますが、その役割を知ってしまえばいちいち調べる必要はない言葉たちです。
フラソングのハワイ語は、言葉の種類を見分けることができると解読が簡単になります。
YouTubeでも語っていますので、ぜひ観てね。
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