メレノート

♪Poliʻahu│言葉にマナを乗せて踊るためのフラソング歌詞・解説[ポリアフ]

Poliʻahu
(作者:Kawaikapuokalani Hewett)

Waimaka ʻo Poliʻahu
I ka ʻeha a ke aloha
Kaumaha i ka haʻalele
O ʻAiwohikupua

Hui:
E hoʻi mai e kuʻu ipo
E hoʻi mai a pili kāua
E hoʻi mai
E hoʻi mai ʻoe
E hoʻi mai ʻoe

Anuanu ka ʻiu kēhau
O Mauna kea
ʻAʻohe āna ipo aloha
E hoʻopumehana

Kau mai ka haliʻa aloha
O ka wā mamua
Pūʻolo ka wai ʻōnohi
I kuʻu mehameha

He lei kou aloha
No kuʻu kino
Pili poli hemo ʻole
No nā kau ā kau

歌詞のハワイ語表記について
当ブログ内のハワイ語は、基本的に『Hawaiian Dictionary(Mary Kawena Pukui & Samuel H. Elbert 著)』の表記に準じて記載しているため、CDの歌詞カードとは異なる表記になっていることがあります。

1.曲名

Poliʻahu
ポリアフ

だいすけ

メレの基本情報を確認していきましょう。

2.アーティスト

  • Teresa Bright
    テレサブライト
  • Kawaikapuokalani Hewett
    カワイカプオカラニ・ヒューエット
  • Brothers Cazimero
    ブラザーズ・カジメロ
  • Hoʻokena
    ホオケナ

など、たくさんアーティストがレコーディングしています。

3.作者クレジット

Kawaikapuokalani Hewett
カワイカプオカラニ・ヒューエット

だいすけ

ではこのメレのキーワード(特定の名前)をチェックしましょう。

4.地名

このメレには地名がひとつ出てきます。

  • Mauna Kea マウナ・ケア

    ハワイ島にあるハワイ最高峰の山の名前。
    冬には雪も積もる山頂には、雪の女神ポリアフが祀られています。
    名前の由来は…

Mauna(山)+ Kea(白)=白い(雪の)山

あるいは

Mauna(山)+ Wākea(空の父神ワケア)=ワケア神の山

だいすけ

↑マウナケアに案内していただいたときのヒューエット氏。
背後にマウナケアの山頂が見えます。

5.固有名詞・人名

このメレには人名が二つ出てきます。

  1. Poliʻahu ポリアフ

    ハワイの神話伝説に伝えられる雪の女神。
    恋にやぶれた悲しみを胸にハワイ島の山頂に住み、時折冷たい雪で山を覆うということです。
    彼女が愛したのはカウアイ島のプリンス。

  2. ʻAiwohikupua アイヴォヒクプア

    女神ライエイカワイ(Lāʻieikawai)の伝説に登場するカウアイ島のプリンス。
    美女ライエイカワイを我がものにしようと出た旅の途中で、ポリアフに出会い想いを寄せられます。
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6.動植物

このメレに動植物の名前は登場しません。

7.一言解説

♪ワイマカ・オ~・ポ~リ~ア~フ~・イ・カ・エハ・ア~・ケ~・アロ~ハ♪
という歌い出しで、ハワイ州最高峰のマウナケア山頂に祀られる雪の女神をたたえる。
伝説をもとに書かれたカワイカプオカラニ・ヒューエット作の名曲。

この歌のハワイ語の歌詞を解読するオンデマンド講座はこちら

だいすけの私的解説

冬にはハワイにも雪が降る場所があります。
それがこのメレ(歌)の舞台、ハワイ島マウナケア。このメレがハワイでリリースされたのは1990年の終わり。2020年の暮れに30周年を迎えます。
作詞作曲をしたのはクムフラ・ソングライター、カワイカプオカラニ・ヒューエット。1989年に書かれたこの曲を、従妹のシンガー、テレサ・ブライトがレコーディングしハワイで大ヒットしました。
その後、ホオケナやブラザーズ・カジメロもカバーしたハワイ音楽史に残る名曲です。

ハワイのフラダンサーにとても愛され、数多くのステージで踊られてきました。
日本のフラダンサーの多くが、この美しい歌と出会うことで、ポリアフという名の雪の女神の存在を知ることになりました。
この歌をきっかけにして、さらにハワイ神話に目を向けた勉強熱心な人は、マウナケアがハワイアンの父神、空の神Wākeaの山とされていることも知って、神聖な山マウナケアへの思いを深めたことでしょう。

「Poliʻahu」の作者であるヒューエット氏は、他にもポリアフや他の女神をたたえる美しい曲を今日までいくつも生み出しています。
神話の女神を歌い踊ることを現代のフラ・ピープルに課すことで、自然の中の神聖なるものを崇めることの大切さを現代に伝えます。

そんなヒューエット氏が書いたポリアフの歌『Poliʻahu』と『Ka ʻEha Ke Aloha』を、フラ競技会の最高峰「メリー・モナーク」のステージで踊り優勝したフラダンサーの動画はこちら。↓