この記事は、フラソングのハワイ語詞を自分で理解したい方向けです。解読のためのヒントが得られます。
1.ひとこと解説
♪クウ・アエ・イ・カ・マカ~ニ~・カ・モオレロ・オ・ハワ~イ・エ~♪
という歌い出しで、ハワイ王国の歴史に思いを馳せ、ハワイの大地が永遠に守られることを願うメッセージ・ソング。
メレの基本情報を確認していきましょう。
2.アーティストは?
エイミー・ハナイアリイ、ワイプナがレコーディングしています。
Amy Hānaialiʻi
エイミー・ハナイアリイ
エイミー・ハナイアリイ&ウィリー・Kのアルバム『Hānaialiʻi – Contemporary Hawaiian』(1998) に収録されています。
Waipuna
ワイプナ
アルバム『Manaʻo Pili』(2009) に収録されています。
3.歌詞
Mālama Mau Hawaiʻi
作者:William ʻAwihilima kahaialiʻiKuʻu aʻe i ka makani
Ka moʻolelo o Hawaiʻi ē
O Kaʻahumanu
Hahai mau ana
Ka puʻuwai o Kamehameha ē
I ka moana
Pā mai nei i ke kula
Hōʻolu me ke anuanu ē
Me ke alohaKuʻu aʻe nō ka manu ē
Amy Hānaialiʻi & Willie K のアルバム『Hānaialiʻi – Contemporary Hawaiian』 より
Ka moʻolelo o Hawaiʻi ē
O Liliʻuokalani
Mau ana ke ea o Hawaiʻi ē
E mālama pono i ka ʻāina ē
Ka Lāhui Hawaiʻi
Hoʻolohe i nā pono
E ka pae ʻāina o Hawaiʻi ē
Mālama mau Hawaiʻi
4.作者は?
William ʻAwihilima Kahaialiʻi
ウィリアム・アヴィヒリマ・カハイアリイ
(Willie K)
5.解読のポイントは?
解読の難易度

ハワイ王国の歴史に残る偉大な女性、カアフマヌとリリウオカラニ
二人のクイーンの名を織り込んだこのメレが現代の人々に贈るメッセージ
「Mālama Mau Hawaiʻi」にはどんな思いが込められているのか。
言葉の意味を解読しただけではわからない、ハワイの歴史を知ってこそわかるハワイアンの願い、それを受けとめたうえで踊るメレです。
言葉数:ボキャブラリー数は24語と普通なので+0
言葉の難しさ:ワイ語初級者には辞書が必要な、メレ頻出度が低めの言葉が少しあるので+0.5
補足情報:行間に込められている感情を読み取ること、歌われているハワイの景色やキーワードの背景を知ることで理解が深まるタイプのメレなので+1
ということで解読の難易度は2.5
さっそく解読に挑戦してみましょう。
まずはキーワードをチェック!
6.キーワードをチェックしよう
ではこのメレのキーワード(特定の名前)をチェックしましょう。
地名
このメレに地名がひとつ出てきます。
Hawaiʻi
ハワイイ
ハワイ
固有名詞・人名
このメレには人名が3つ出てきます。
Kaʻahumanu
カアフマヌ
カメハメハ大王の妻の一人
Kamehameha
カメハメハ
ハワイ王国初代国王の名前
Liliʻuokalani
リリウオカラニ
ハワイ王国第8代国王の名前
動植物
このメレには動物がひとつ出てきます。
manu
マヌ
鳥
このメレに紡がれているのは
「花の言葉」24語
「糸の言葉」13語
「花の言葉」と「糸の言葉」ってなに?
…と思った方は次の項目へ。
7.花の言葉と糸の言葉とは?
「ハワイの歌は言葉を紡いだレイ」だとハワイの人は言います。
この表現が大好きなぼくは、メレのハワイ語を理解してもらうために思いついた、以下のコンセプトで教えています。
言葉のレイであるメレの中には、2種類の言葉があるというぼく独自の考え方です。
この2種類とは、レイにたとえるなら「花の言葉」と「糸の言葉」です。
「花の言葉」は、単体で意味を持って存在できる語。品詞でいうなら名詞、動詞、形容詞、副詞です。
「糸の言葉」は、歌詞を構成する文や句を作るために「花の言葉」をつなげる役割をする語です。品詞でいうなら前置詞、接続詞、冠詞などです。歌詞の構成要素としてあらゆる歌に繰り返し現れますが、その役割を知ってしまえばいちいち調べる必要はない言葉たちです。
フラソングのハワイ語は、言葉の種類を見分けることができると解読が簡単になります。
「花の言葉」と「糸の言葉」のしくみを学ぼう!