この記事は、フラソングのハワイ語詞を自分で理解したい方向けです。解読のためのヒントが得られます。
1.ひとこと解説
♪クウ・レイ・アロハ・オ・カヘレラニ♪
という歌い出しで、レイの素晴らしさと、特別な人への思いをつづるメレ。
メレの基本情報を確認していきましょう。
2.アーティストは?
カラニ・ペアのオリジナル曲です。
Kalani Peʻa
カラニ・ペア
アルバム『Kuini』(2024) に収録されています(シングルリリースは2023年)。
3.歌詞
Kuini (Kuʻu Lei Aloha)
作詞:Kalani Peʻa
作曲:Kalani Peʻa & Wailau RyderE kuʻu lei aloha
ʻO Kahelelani
Mai Puʻuwai
Waipahē ka wahine
Hoʻohihi ka lei,
Ka lei lehiwa
Ka lei māhie
Kuʻu lei o ka ua noeBridge:
Noe i ke ʻala o ka maile
He momi i hilo ʻia
Maulua ke kui i ka lei
Ua kū i ka maka
Ka lei hoaka ē
Hōʻauliʻi
hiʻipoi nō ia polinaheE kuʻu lei aloha
Kalani Peʻa のアルバム『Kuini』 より
Ka pua lokelani
E noke mau kuʻu aloha ē
He lei pīkake ʻoe
Kohu lei keu aku nō
Ka lei o ke kau
Kuʻu lei no nā kau ā kau
Oli:
He lei kau i ka hano
Hanohano i ua lei nei
I ka ua koko
I ke kīʻohuʻohu ē
4.作者は?
歌詞
Kalani Peʻa
カラニ・ペア
曲
Kalani Peʻa & Wailau Ryder
カラニ・ペア&ワイラウ・ライダー
5.解読のポイントは?
解読の難易度
作者が友人から贈られたハワイ最高級のレイ、ニイハウ・シェルのカヘレラニ・レイがこのメレのテーマです。その特別なレイの素晴らしさを表現しようと言葉を尽くしているのが、レイを形容する言葉の多様さから伝わります。贈り主への感謝とニイハウ・シェルという美しい伝統工芸品を作り続ける島の人々へのリスペクトが込められています。
言葉数:ボキャブラリー数は38語とやや多めなので+0.5
言葉の難しさ:ハワイ語初級者には辞書が必要な、メレ頻出度が低めの言葉がやや多めなので+1
補足情報:歌われている地名の場所はどこか、実際の景色はどんなか、メレの舞台の地理・歴史・文化的知識を持つことで理解が深まるメレなので+1
その他:メレが生まれた背景、だれに捧げられたのかを知ることで理解が深まるので+1
ということで解読の難易度は4.5
さっそく解読に挑戦してみましょう。
まずはキーワードをチェック!
6.キーワードをチェックしよう
ではこのメレのキーワード(特定の名前)をチェックしましょう。
地名
このメレには地名がひとつ出てきます。
Puʻuwai
プウワイ
ニイハウ島の地名
固有名詞・人名
このメレには固有名詞がひとつ出てきます。
Kahelelani
カヘレラニ
貝の種類の名前
動植物
このメレには植物が3つ出てきます。
maile
マイレ
【植物】マイレ
lokelani
ロケラニ
【植物】バラ
pīkake
ピカケ
【植物】ジャスミン
※ニイハウ・シェルのレイのスタイルに「lei pīkake」というものがある
このメレに紡がれているのは
「花の言葉」38語
「糸の言葉」17語
「花の言葉」と「糸の言葉」ってなに?
…と思った方は次の項目へ。
7.花の言葉と糸の言葉とは?
「ハワイの歌は言葉を紡いだレイ」だとハワイの人は言います。
メレの中には大きく分けて2種類の言葉があります。レイにたとえるなら、「花の言葉」と「糸の言葉」です。
「花の言葉」は、単体で意味を持って存在できる語。品詞でいうなら名詞、動詞、形容詞、副詞です。
「糸の言葉」は、歌詞を構成する文や句を作るために「花の言葉」をつなげる役割をする語です。品詞でいうなら前置詞、接続詞、冠詞などです。歌詞の構成要素としてあらゆる歌に繰り返し現れますが、その役割を知ってしまえばいちいち調べる必要はない言葉たちです。
フラソングのハワイ語は、言葉の種類を見分けることができると解読が簡単になります。
「花の言葉」と「糸の言葉」のしくみを学ぼう!