この記事は、フラソングのハワイ語詞を自分で理解したい方向けです。解読のためのヒントが得られます。
1.ひとこと解説
♪アウヘア・ワレ・オエ・エ・クウ・アロ〜ハ〜♪
という歌い出しで、恋人同士の親密さとハワイの山と海の美しい光景を重ねて伝える王族賛歌。
メレの基本情報を確認していきましょう。
2.アーティストは?
たくさんのアーティストがレコーディングしています。
近年ではクアナ・トレス・カヘレ、90年代にはマカハ・サンズ・オブ・ニイハウなどのレコーディングがあります。
Kuana Torres Kahele
クアナ・トレス・カヘレ
クアナ・トレス・カヘレのアルバム『Nani Waiʻale』(2021) に収録。
その他のアーティスト
Makaha Sons of Niʻihau
マカハ・サンズ・オブ・ニイハウ
など
3.歌詞
Aliʻi ʻIolani
(トラディショナル)ʻAuhea wale ʻoe e kuʻu aloha ʻeā
Neʻeneʻe mai ʻoe, neʻeneʻe mai ʻoe
A pili ponoKokoni ka ʻiʻini me ka manaʻo ʻeā
Lalawe a ninihi, lalawe a ninihi
He maʻū iaHaʻa mai nā hene ua noe luna ʻeā
Waiho kāhela, waiho kāhela
Luhe i ka waiHe kai nehe mai i ka ʻae one ʻeā
I ka pā honehone, i ka pā honehone
Hone i ka poliE kuʻu aloha e hone mai ʻoe ʻeā
Pipili a mamau, pipili a mamau
A hōʻiʻoHaʻina kuʻu liʻa poina ʻole ʻeā
Ke aloha i pili ʻia, ke aloha i pili ʻia
I ka puʻuwaiHea aku nō wau e ō mai ʻoe ʻeā
Kuana Torres Kahele の アルバム『Nani Waiʻale』より
Aliʻi ʻIolani, aliʻi ʻIolani
Nou ke kahua
4.作者は?
トラディショナル
5.解読のポイントは?
解読の難易度
「アリイ・イオラニ」とはカメハメハ4世のことで、このメレは仲睦まじい若き王と王妃をたたえていると考えられています。使われている言葉にある複数の意味も含めて解釈していくと、「王族賛歌あるある」な内容であることが垣間見えて味わい深いですね。
言葉数:ボキャブラリーは45語とやや多めなので+0.5
言葉の難しさ:ハワイ語初級者には辞書が必要な、メレ頻出度が低めの言葉がやや多めなので+1
補足情報:メレが生まれた背景、だれに捧げられたのかを知ることで理解が深まるので+1
その他:さらにフレーズのハワイ的な表現をどう解釈するか、慣れが必要な部分もあるので+0.5
ということで解読の難易度は4
さっそく解読に挑戦してみましょう。
まずはキーワードをチェック!
6.キーワードをチェックしよう
ではこのメレのキーワード(特定の名前)をチェックしましょう。
地名
このメレに地名は登場しません。
固有名詞・人名
このメレには人名がひとつ出てきます。
ʻIolani
イオラニ
【人名】カメハメハ4世の名前
動植物
このメレに動植物は登場しません。
このメレに紡がれているのは
「花の言葉」45語
「糸の言葉」13語
「花の言葉」と「糸の言葉」ってなに?
…と思った方は次の項目へ。
7.花の言葉と糸の言葉とは?
「ハワイの歌は言葉を紡いだレイ」だとハワイの人は言います。
メレの中には大きく分けて2種類の言葉があります。レイにたとえるなら、「花の言葉」と「糸の言葉」です。
「花の言葉」は、単体で意味を持って存在できる語。品詞でいうなら名詞、動詞、形容詞、副詞です。
「糸の言葉」は、歌詞を構成する文や句を作るために「花の言葉」をつなげる役割をする語です。品詞でいうなら前置詞、接続詞、冠詞などです。歌詞の構成要素としてあらゆる歌に繰り返し現れますが、その役割を知ってしまえばいちいち調べる必要はない言葉たちです。
フラソングのハワイ語は、言葉の種類を見分けることができると解読が簡単になります。
YouTubeでも語っていますので、ぜひ観てね。
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